2014.08.26(312-2)

「ISOT2014 2」

国際 文具・紙製品展レポート

■  引き心地のいい蛍光マーカー ゼブラ

展示会のブースというものは、他社より少しでも目立とうとバルーンをあげたり、自社の社名をすこしでも大きくして来場者にアピールしている。そんな中でゼブラは社名ではなく、「SARASA」というブランド名を大きく打ち出していた。なるほど、この手はいいかもしれない。

さて、そのゼブラブースで私が注目したのは「SARASA」ではなく、「ジャストフィット」という蛍光マーカーの新製品。

ゼブラ

名前からしててっきりグリップが指先にジャストフィットするのかと思っていた。しかし、違っていた。グリップではなくペン先がジャストフィットするのだ。キャップを開けると、いつもと変わらぬ斜めにカットされたペン先がある。それをクルリと90°回転させてみた。すると、いつもとちょっと違う眺めになる。ペン先にいくに従いどんどんスリムになっていくのだ。

ゼブラ

そのスリム加減は明らかにこれまでの蛍光マーカーとは違う。実はこのペン先ナイロンで作られている。これがとてもしなやかさに富んでいる。紙の上にペン先を添えラインを引いてみると細くやわらかいペン先がクニャとたわんでいく。

ゼブラ

これがとても気持ちいい。なにもユーザーを 気持ちよくさせるためだけではない。これまでのペン先が硬い蛍光マーカーだとペン先の斜めラインと紙の面をピタリと一致させる必要があった。角度が合っていないと細いラインになってしまうこともある。「ジャストフィット」ではその角度を意識しなくてもペン先側がクニャとたわんでうまい具合に調整してくれるのだ。

また、教科書の綴じ部分といった紙面が湾曲したところにマーカーする時もキレイなラインを引くことができる。

ゼブラ

これは蛍光マーカーに新たに一石を投じるアイテムになりそうだ。なお、このペン先のたわみは両頭のうち太字だけ。

*蛍光ペン ジャストフィット
全5色 各 100円+Tax

■ ツイストリングを様々な分野に展開 LIHIT LAB.

LIHIT LAB.

先ほどキングジムが360°折り返せるクリアファイルを発表していたが、LIHIT LAB.でも負けじと出していた。というか、実はLIHIT LAB.では数年前から出していた。ツイストリングのクリアポケットファイル。背表紙の中央にヒンジと呼ばれる折り目が設けられているので、気持ちいいほどに表紙を半分に折り返せる。

LIHIT LAB.

LIHIT LAB.

LIHIT LAB.

これまで展開していたのはA4、B4、A3といったサイズだったが、今回、大型のA2とB3Lがラインナップされた。

LIHIT LAB.

A2は新聞紙、B3Lは四つ切りの画用紙を収納できる特大サイズ。大きくなればなるほどどうしても場所をとるので折り返しの意義は大きくなる。

*LIHIT LAB クリヤーブック <ポケット交換タイプ>
A4 15P 550円+Tax / 30P 750円+Tax
B4 15P 1,300円+Tax
A3 15P 1,500円+Tax
B3L 10P 2,200円+Tax
A2 10P 2,400円+Tax。

ツイストリングノート ユーザーに待望の商品が発表されていた。ワンサード(1/3)パンチだ。

LIHIT LAB.

ツイストリング・ノートのリング穴の間隔はダブルリングノートで広く採用されている「1/3インチピッチ」。その穴を開けられる本格派パンチだ。これまでは一枚ずつしか開けられないスリムなタイプか業務用の大きなものしかなかった。今回のものはパーソナル使用にちょうどいい大きさ。

一度に開けられる穴の個数は10個なので、たとえば、B5サイズなら、はじから順番に3回パンチすると開けられる。

LIHIT LAB.

2回目以降パンチする場合は、このように先に開けた穴と合わせをしやすいように数字がふってある。

LIHIT LAB.

それにあわせて順々にパンチしていけばいい。

LIHIT LAB.

LIHIT LAB.

穴の形は丸。

LIHIT LAB.

ツイストリング・ノートリフィルは四角穴だが、綴じ込んでしまえば、ほとんど気にならない。一度にパンチできるのは5枚。もちろん、A4サイズやメモサイズもOK。プリントアウトした紙などもこれからはツイストリング・ノートに綴じ込んでいける。

*ワンサードパンチ 2,600円+Tax

次は、「ダイアリー手帳」というアイテム。

LIHIT LAB.

日本語に訳すと、「手帳手帳」ということになる。手の平サイズのコンパクトさ、そしてスリムな手帳だ。

ダイアリー手帳

表紙からはツイストリングらしきリングが少しだけ顔を見せている。パチンとロックを解除して表紙を開けると、半円形をしたツイストリングがある。

LIHIT LAB.

半円にしたことでスリムさを生み出していたのだ。リングは根元のボタンを押し込めばいつものツイストリングの要領で開けられる。

LIHIT LAB.

これまでツイストリングは、リング径をどんどん大きくしていく方向性だったが、これは逆に小さくしている。ここで注目は単にリング径を小さくするのではなく、半円にしたところだ。直径を小さくするよりも半円形にしたほうがスリム化でき、綴じられる枚数も多くなるような気がする。

手帳フォーマットは見開き1ヶ月、そして今や懐かしいアドレスページとノートになっている。

LIHIT LAB.

LIHIT LAB.

LIHIT LAB.

*ダイアリー手帳 800円+Tax

LIHIT LAB.では机上収納アイテムをこれまでいくつも出している。その新製品としてPCモニター台に引き出しが付いたタイプが発表されていた。

LIHIT LAB.

台の高さは、モニターを見たときに極力違和感がないよう、これまでのタイプより2cmアップに抑えられている。引き出しが付いたとは言え、見た目の仰々しさは全くない。引き出しを開けると手前には溝がある。ここにはスマホを立てかけておける。

LIHIT LAB.

気が効いているのは底に穴が開いていてスマホを充電しながら立てたり、引き出しにしまっておける。最近のデスクでは中央の薄っぺらい引き出しがないものもある。この引き出しは、ちょうどその代わりにもなる。

LIHIT LAB.

LIHIT LAB.

*机上台〈引出し付き〉 4,700円+Tax

■ 心配性な人にうれしいアイテム シヤチハタ

シヤチハタ

「念には念を入れ」という言葉がこの新商品を見て、真っ先に頭に浮かんだ。これは「ケスペタ」という個人情報保護ツール。

シヤチハタ

文具のジャンルとしてはシヤチハタお得意のスタンプではなく、糊に属する。最近の文具メーカーの間では、紙製品メーカーがハサミを出したりなど本業以外の商品を出すという傾向が結構見られる。

そう言えば、シヤチハタでも鉛筆削りを出してヒットさせている。この「ケスペタ」もそうした流れのひとつと言えそうだ。キャップを開けると真っ黒な液体糊になっている。自分あてに届いたDMの宛名をこれで塗りつぶす。

シヤチハタ

これだけでも宛名は十分隠せるが、糊なので、貼り合わせてしまう。

シヤチハタ

黒く塗りつぶしてさらに貼り合わせて隠すという二段構えだ。なるほど、これはいいと個人的に思った。私は、スタンプ式の個人情報保護ツールを使っている。ハガキなどにポンポンと捺してゴミ箱に入れる訳だが、ゴミ箱の内側がたまに汚れてしまうことがある。また、いったんゴミ箱にいれた書類を再び取り出すということが私の場合はある。

ちなみにゴミ箱は空にするまではいつでも取り戻せるひとつフォルダーだと認識している。ちょうどパソコンのゴミ箱フォルダーと同じイメージだ。そのため、スタンプ式だと、他の書類をインクで汚してしまうことがある。この貼り合わせタイプならその意味で安心だ。

この商品でひとつ気になるのは糊が乾いたあとにもし剥がしたらどうなっているのか、ということ。剥がしたら、隠したはずの宛名が見えてしまったら目も当てられない。ピリピリと剥がしてみるとしっかりと宛名は隠され続けていた。

シヤチハタ

*ケスペタ 300円+Tax
使い切りタイプ。およそ150回の宛名消しができるという。

次ページにつづく >>