2014.04.15(303)

「最後まで付き合えそうな予感」

プラス

ダブル エアイン

これまでpen-info.jpでは、300本もの文具コラムを書いてきた。

その中で消しゴム単体が登場するのは、実はほぼ初めて。(ネリ消しは除く)というのも、これまで色々な消しゴムを試してきたが、なかなか1つに絞りきれなかった。

今使っている「ダブルエアイン」は、いつのまにやら私のペンケースにすっかりと居座り続けている。これまでの40年という人生の中で、一度も味わったことのない消しゴムを最後の最後まで使い切るというゴールにたどりつけそうな予感がしてきた。

プラス ダブル エアイン 消しゴム

今までひとつの消しゴムを途中で挫折して使わなくなってしまったのには、いくつかの理由がある。まずひとつに、なくなってしまうというのがある。誰かが勝手に持ち出して、そのまま戻さずなくなってしまうということもあった。

それから、実はこれが一番多いのだが、半分くらいまで使ったところで消しゴムが途中でもげてしまうことがある。こちらの消しゴムへの思い入れまで断ち切られてしまった感じがして、その以降使う気になれなかった。

■ この「ダブルエアイン」は、その「途中もげ」がなかった

だから、ペンケースの主のように居座り続けているのだろう。と言っても、この消しゴムが他のものに比べてとりたてて頑丈という印象を私は持っていない。クニャクニャと曲げればそれなりにしなる柔軟性は持っている。

私は、このスティック状の形に、そのあたりの理由があるのではと睨んでいる。

プラス ダブル エアイン 消しゴム

消すときにちょうど鉛筆を握るように3本の指で「ダブルエアイン」の3面を添える。

プラス ダブル エアイン 消しゴム

普通の消しゴムの時も、この握り方に変わりはない。だがしかし、普通の消しゴムは断面が長方形なのに対し、「ダブルエアイン」は正方形になっている。3本の指を添えて力をグッとかけて紙の上をこする時に、消しゴム側が受けとめる荷重が断面が正方形であることで分散されるのではないか、、というのが小中高と理科・物理が大の苦手だった私の勝手な推測。

いずれにせよ「途中もげ」は、私が今使っているものでは起こっていないし、その気配もない。

■ このスティック状スタイルは、ペンケースの中でも波風を立てない

ペンたちと一緒にすっと手足をまっすぐ伸ばしたようにしている。

プラス ダブル エアイン 消しゴム

これまでの平らな消しゴムは、みんながまっすぐにしている中で一人だけ両手両足を広げているような感じだった。この点においても、ペンケースに居座り続けてこられたのかもしれない。

■ そもそも消しゴムには、4つの使い心地がある

1つ目は、先ほども触れた握り心地。この「ダブルエアイン」は、そのバランスがいい。2つ目は紙の上の滑り心地。メーカーは「カドで消す感覚」と言っているが、正直なところ私にはそれはよくわからなかった。丸まったところで消している時は、丸まったところで消している感じしかしなかった。ただ、軽く紙の上をこすれていく感触はあった。

プラス ダブル エアイン 消しゴム

プラスのカタログによると、「ダブルエアイン」の表面は多孔質、つまり無数の穴がある構造らしい。つまり、こする時の消しゴムと紙の接地面積が少ないということなのだろうか。だから、軽くこすれるのかもしれない。

そして、3つ目は消し心地。軽くこすっていてもしっかりと紙の上の黒鉛は吸い付けてくれる。そして、4つめはカスの捨て心地というのも消しゴムにおいては重要なポイントだ。こすると消しカスが紙の上に散らかるよりも、子供がお母さんにまとわりつくみたいに消しゴムにくっついている。

プラス ダブル エアイン 消しゴム

カスを紙の上でかき集める作業が省けて、自称キレイ好きの私にはうれしい。とは言っても、たくさんの文字を消した時は、さすがに紙の上ならびに机の上に消しカスが散乱する。

■ この掃除に私はポスト・イット全面強粘着を使っている

プラス ダブル エアイン 消しゴム

カスをこれでペタペタとやると、こかまなカスも含めてキレイに取り切れる。

プラス ダブル エアイン 消しゴム

プラス ダブル エアイン 消しゴム

1回ペタペタしてから、デスクの横に一時キープして、また使う。

プラス ダブル エアイン 消しゴム

大体3~4回くらいはいける。しまいにはポスト・イットごとゴミ箱に捨てればいい。ポスト・イット全面強粘着は、ほどよい粘着力があり、本来的な使い方ではないが、とても便利に使えている。

さて、話を消しゴムにもどして、「ダブル エアイン」をまだ最後まで使い切っていないが、かなり気に入ったので、次の新しいものもすでに入手済み。

プラス ダブル エアイン 消しゴム

あと、この消しゴムに望むべくは、スリーブとよばれるパッケージのデザイン。

「W・AIR-IN」と大きく印刷されている。消しゴムを使うたびに目に入ってくる訳だが、私はもう十分そのことは分かっているからもういいよ、と肩に手を回して言ってあげたくなる。それは、買う時にだけ分かればいいことだ。字を消すたびに、そうかこれは「W ・AIR-IN」だったのか、フムフムと頷きつつ使うことなどまずない。

買ってパッケージをピリピリと破ったら、そうした文字はすっかり無くなってシンプルなものになって欲しいものである。

プラス ダブル エアイン 消しゴム

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