2012.06.26(258)

「変幻自在の消しゴム」

ホルベイン

練りゴム

ねり消し

ずっと「練り消し」と呼んでいたが、画材としては「練りゴム」ともいうらしい。今、私が使っているホルベインのウェブカタログを見ても、やはりそうなっている。

ホルベイン 練りゴム

商品名に肝心の「消し」という言葉が入っていないのは気になる。

■ これまでは物撮り固定用だった

しかしながら、改めて考えてみると、私はこれまでこれを「消す」ために全然使ってこなかったことにフトと気づいた。私は、これを主にペンを撮影する時の固定用に使ってきた。ペンは軸が丸いものが多く、それを机の上でクリップを上側にして固定するのがとても難しい。それを固定させるのに練り消しがとても役に立っていた。

ホルベイン 練りゴム

コネコネと練って、ビーッと引っ張って小さい塊をつくり、それをペンの裏に貼って固定するというものだ。

ホルベイン 練りゴム
【裏から見るとこうなっている】

そういう意味ではまさにゴムを練っているだけで、全くもって「練りゴム」として使っていた。「練りゴム」というネーミングがおかしいなどと言える筋合いではない。

■ 練り消しで消してみた

そこで、もう一つの、というよりも本来の用途である「消す」ことに使ってみることにした。やってみると、これがなかなかいい。当初は「練り消し」というものは、デッサンなどをする人が使うもので、一般の私には縁がないものと思いこんでいた。しかし、全くそんなことはなく、私たちにとっても十分便利な道具であることがよくわかった。今更ながら「練り消し」の「消し」の便利さに感心してしまった。

消し心地としては、これまで私たちが使ってきている「プラスチック消しゴム」とは大きく違う。練り消しは、ふつうの消しゴムと違って、そもそもこすって消すものではないそうだ。こするのではなく、消したいところを押さえて消していくものだという。確かにポンポンと押してみると文字が薄くなっていく。

ホルベイン 練りゴム

ホルベイン 練りゴム

ホルベイン 練りゴム

消えた文字は、練り消しに写し取られたようになる。

ホルベイン 練りゴム

汚れてしまった部分は、引っ張ったりこねたりして、キレイな面を作り出していく。

ホルベイン 練りゴム

ホルベイン 練りゴム

本来の使い方ではないと思うけど擦っても消せないことはない。ただ、素材的にとっても軟らかいので、いつものようにゴシゴシやろうとするとクニャクニャして安定感がない。そこで、いつもよりも先端側をつまんで擦ることになる。

ホルベイン 練りゴム

この擦った時の感触も全然違う。昔、理科で習った「摩擦係数」がとても大きい。つまり、消し心地がザラザラとしていて紙の上をスムーズに滑っていかない。紙の表面を触ってみると、練り消しの細かなカスみたいなのが付着していてザラザラとしている。そこで、先ほどのように練り消しをポンポンと押してみると、キレイにすることができる。

そう、練り消しは、消しカスが出ないのだ。この点は、練り消しの大きなメリットだと思う。普通の消しゴムは文字をゴシゴシと擦っていくと、消した文字がこすり取られて消しカスへと姿を変えていく。それに対して「練り消し」の方は、消した文字を練り消しの自らの体の中に取り込んでいってくれる。

自分で出したものを自分でちゃんと後始末をしてくれるのだ。ふと思ったのだが、この練り消しの片付け上手な面を活かしていつものプラスチック消しゴムのカスを吸い付けてくれる専用のものがあったら便利かもしれない。たとえば、「消しカス練りトル」とかいうネーミングで。。

そして、もう一つの練り消しのメリットとしてあげたいのが、形が変幻自在になるということだ。ちょっと硬めの粘土くらいなので、コネコネすればいかようにも形を変えることができる。これを利用すると「自作角消し」みたいなことも出来てしまう。

たとえば、手帳に細かく書き込んだ予定を消すとする。練り消しの端っこを細くして、その先端で消すことができる。

ホルベイン 練りゴム

もちろんクニャクニャとした素材なので、細くすると不安このうえないのだが、消せないことはない。

ホルベイン 練りゴム

ホルベイン 練りゴム

また逆に広く消したい時は、それ用に形を替えられる。つまり、消す対象に合わせて自由に変えられる訳なのだ。この形が変えられる良さは、消す時だけではない。ペンケースにしまう時に、あまり大きなスペースがないこともある。そんな時は、練り消しをそのスペースに合わせて細くしたり短くすればいい。

ホルベイン 練りゴム

ホルベイン 練りゴム

また、仕事中に練り消しを握ってクニャクニャとこねて指の運動をしたり、さらにはビーッと引っ張っれば、ストレス発散にもなる。

ホルベイン 練りゴム

ホルベイン 練りゴム

今、私のペンケースにはプラスチック消しゴムとともに「練り消し」も入っている。用途や気分を合わせて使い分けている。

ホルベイン 練りゴム

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□ 各種 練りゴム

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