2008.10.28(166 - 2/2)

「マンスリー手帳を比較する 2」

アーテミス アタッチメントダイアリー 他

マンスリー スケジュール帳を比較検討する

5.アーテミス アタッチメントダイアリー

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メーカーによると、B6サイズとあったが、実際はそれよりもやや小ぶり。スケジュール帳としては取り回ししやすい大きさと言える。中のカレンダーページは紙面いっぱいいっぱいを使って大きく配置されている。

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しかし、気になるのは、休日標記。なぜか日本だけでなく、イギリスやアメリカ、フランスの祝日まで記載されている。

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せっかくの大きな記入スペースがもったいない。ノートが1ページもないという、せっかくのスッキリスタイルなだけに、実に惜しい。製本は中綴じスタイル。このマンスリー手帳には、何やら特許を申請中という面白い仕組みが備わっていた。それは、リングノートに後付けできるアタッチメントが付いているというものだ。

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シングルリングではなく、ダブルリングノートだけに対応している。フック部分をカットすることで、A版、B版双方のノートにも付けられるという。

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私はこのように使わないと思うが、人によっては、これはなかなか便利な機能だと思う。このアタッチメントだけを別売りしたら、結構人気が出るかも知れない。

6.無印良品 再生紙 日曜日始まり マンスリーノートA5
7.無印良品 再生紙 日曜日始まり マンスリーノートA6

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無印良品はこれまでスケジュール帳では「月曜日はじまり」をまるで親のかたきでもあるように、かたくなに貫いてきた。

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しかし、ここにきて、「日曜日はじまり」も加わってきた。まるで、ラーメン屋さんが夏に「冷やし中華はじめました。」というのを出す時のようにこのマンスリー手帳でも誇らしげに、商品名に「日曜日はじまり」と書かれてあった。

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無印良品のよさはデザインのシンプルさ、そして低価格であること。今回の候補の中でも最安値となっている。A5、A6の2種類があるが、中の紙面構成は基本同じ。カレンダー以下でもなくカレンダー以上でもないというくらいにひたむきにカレンダーに徹している点が好感が持てる。

巻末のノートも脇役に徹していてとても少ない。付け加えたというよりかは、製本の都合で余白ができたので、ノートにしてみました。。。というわきまえられた分量になっている。

ただ、気になるのはマスの中にある数字の位置だ。これが右下になっている。カレンダーと言えば、左上に数字があるのが、一般的だと私は思う。記入する人のために、あえて上を空けたおいた、という解釈もできるが、正直ちょっと違和感がある。製本は中綴じスタイル。

■ クオバディス ビソプラン

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ここで永年連れ添ってきたクオバディス ビソプランにもご登場願おう。こう見てきて気づいたことがある。ビソプランは、ページの開き方が縦になっている。一方、今回見つけてきた日本のものはいずれも本のような横開き。なぜ、ビソプランは縦なんだろうと、不思議に思っていたが、その謎が今回解けた。

それは紙面いっぱいいっぱいにカレンダーを収めるためだったのだ。説明するまでもないが1週間は7日間、つまり奇数である。これを横に並べて本のように横開きにしてしまうとどうしても真ん中の水曜日か閉じ込み部分にあたってしまう。

だから日本のものをみてみると、全て左ページに「日」「月」「火」。
右ページには、残りの「水」「木」「金」「土」という風に分かれている。

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つまり、左ページに余白ができてしまうのだ。おそらくそれを嫌ったクオバディスでは、限られた紙面いっぱいいっぱいにカレンダーを組み込むためにあえて縦開きにしたのだろう。きっと…。さらにビソプランにはノートが1ページしかなく、ひたむきにカレンダーだけに徹している。

こう見てみると、コンパクトなのに、そのわりに大きめなカレンダー記入スペース、そしてノートがほとんどないなど、私の求めていることを実によく満たしている。返す返す残念でならない。もしこれが、完全に日本語表記だったら私の気持ちは他に移ることはきっとなかっただろう。

そして、ビソプランも含めて8冊を表にまとめてみた。

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今回計ったのは以下の通り。

「手帳のサイズ」、「見開き紙面の総面積」、「一マス分の記入スペースの面積」。そして、今回試みたのが、見開き紙面あたりの一マスの割合(一番右の列)。これは、限られた紙面をいかに有効にカレンダーとして使い、日々の記入スペースをどれだけ確保しているかをじっくりと比較してみたかったからだ。

先ほども触れたように、マンスリー手帳は、一ヶ月の予定が一望出来る良さはあるものの、どうしても、日々の予定を記入するスペースは小さい。それがために敬遠するか人も多いと思う。

それなら、大きな手帳を使えばと思うところだが、どうしても携帯性が悪くなってしまう。それゆえ、コンパクトでありながら記入スペースもしっかりと確保されていることがマンスリー スケジュール帳ではとても重要だと私は考えている。

この点で、今回の8種類の手帳をみてみると、クオバディス ビソプラン、能率協会マネジメントセンターのペイジェム、高橋書店のラフィーネが高ポイントを得ている。

そうしたことを含めて色々と検討下結果、最終候補として、以下の3点に絞った。

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日本法令のプランニングメモリ B6

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日本能率協会マネジメントセンターのペイジェム、

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そして、高橋書店のラフィーネ。まず、最も記入スペースが大きな日本法令のプランニングメモリだが、当初はこれが一番いいのではと、すっかりとその気になっていた。

しかし、これほど大きな予定記入欄がはたして私に必要なのだろうか。記入スペースが大きくなれば、さらにたくさんの予定を入れることになる。おまえは来年そんなにたくさんの仕事をするのか!?そう言われると、ウムと悩んでしまう。

そして、たっぷりとあるノートも気になる。今の私にはこれを使いこなせなせそうにない。このプランニングメモリは最終候補からはずすことにした。残る能率協会と高橋書店のものは、限りなく似たスタイルだ。カバーという点から見れば、花柄でないほうに、すぐに軍配があがる。

はたして、それだけで決めてしまっていいのだろうか。そもそも今回の買い換えようと思ったのはなぜだったか。英語表記でなく、日本語表記の方がいいということだったはずだ。

その点で見てみると、ペイジェムは、曜日が「Monday」、「Tuesday」と英語だけだ。一方の、ラフィーネには、英語と共に「月」、「火」も併記されている。

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【日本能率協会マネジメントセンターのペイジェム】

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【高橋書店のラフィーネ】

それぐらいのことは、どちらでもいいではないかと多くの人は思うかもしれない。しかし、私にはこれがとても気になる。

例えば、誰かと予定を決める際に、「今度の打ち合わせはウェンズデイの午後なんてどう?」「ウェンズデイはちょっと都合がわるいね。チューズデイならいいよ」なんてやりとりをするだろうか。少なくとも私はしない。そこはやはり、「水曜日」や「火曜日」と言っているはずだ。

「Wednesday」と言えば、すぐに水曜日とわかるのだが、頭の中では、ものすごいスピードでこれを「水曜日」と置き換える作業をしているにちがいない。

もともとマンスリーはカレンダーのようにシンプルに使えるのがその良さである。そこに、何か変換しなくてはいけないようなものは、極力挟み込みたくない。私にはやはり、日本語表記の方がしっくりとくる。そして、1マスの記入スペースを比較してみると、ラフィーネの方がわずかに1mmばかりだか大きい。さらには、ビソプランよりも1マス分の面積が大きい。

■ よし、来年は高橋書店のラフィーネで行こう!

そうは決まったのはいいが、問題は花柄のカバーである。実はこの表紙は透明カバーを外すことができ、その間に花柄のカバーがはさみ込まれているだけだったのだ。つまり取り外しが可能という訳だ。

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では、どのように普段使っていくか。いくつか方法はある。一つに、カバーをすべて取りはらて真っ白手帳本体として使うというもの。または、この状態で、先程のビニールカバーを付けて使うというのも可能だ。

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これならば、男性が持っても全く支障はない。考えてみればこれはそもそも文庫本サイズという大変便利なサイズになっている。文庫本であれば、ちまたには文庫本用のカバーがわんさとある。その中で、自分の気に入ったかばんを見つけ、それをつければいいではないか。そうだそれが一番いい。

■ ポスタルコのカレンダーカバー スモール

あまたある文庫本かばんの中で私が目を付けたのが、ポスタルコ。革と圧縮コットンを使ったものでとても味わい深い。東京駅丸の内にあるポスタルコ直営店に行ってみると、文庫本カバー以外にクオバディスのビジネスサイズ用の手帳カバーというものもあった。

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見た目にはそれほどの違いはないが、ひとつだけ違う点があった。手帳カバーの方には、裏側にペンホルダーが付いている。

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スケジュール帳として使う上では、やはりペンをセットできるのは大変ありがたい。店員さんの許可をいただいて試しにこのクオバディスのビジネス手帳用カバーにラフィーネを差し込んでみたところ、ぴったり収まった。

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お店の方も、この手帳専用のカバーみたいですね、というくらいのはまりようだった。私が選んだ「オリーブ グリーン」というカラーは、
クリーム色の紙面ともバッチリ合う。

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840円の手帳に9、450円カバー、実に贅沢でいいではないか。今回たっぷりと検討してたどり着いたマンスリースケジュール帳、とても納得感のある手帳選びができた。まだ、実際に手帳としては使っていないのだが、なんだか、一緒に苦楽をともにしてきた同志のような一体感がすでに生まれていた。

このラフィーネは11から使えるようになっているので、ってみようと思う。

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<補足>

ビソプランの時には、フォトフレームをスタンド代わりにしてデスクカレンダーのように立てて使っていましたが、今回のラフィーネでは、ブックチェア(書見台)を専用スタンドにすることにしました。

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□ 高橋書店 ラフィーネ
□ 日本能率協会マネジメントセンター ペイジェムA6マンスリー
□ 今回私が入手したポスタルコ 手帳カバー(ビジネスサイズ用)

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