■「キズやへこみが味になるかばん」
ゼロハリバートン Z5
ずいぶん前に、仕事でアメリカの方との商談に同席する機会があった。
その方は持っていた黒の皮製アタッシュケースをテーブルの上にバタっと置いて、中から書類を出し、商談を始めた。
でも、アタッシュケースはテーブルの上に置きっぱなしにしたまま。なんで、しまわないんだろうとすごく気になった。
日本のビジネスマンは、私が知る限り、テーブルの上にかばんを置きっぱなしにはしない。
みんな、自分の座っている椅子の横やらテーブルの下側に置いている。
私の誠に勝手な推測だが、
日本のかばんというものは昔からある「風呂敷」の延長線上ではないかと思う。
風呂敷は中身を出したら、相手も前に置きっぱなしにせず、すぐに片付けてしまう。
いずれにせよ、日本とアメリカの文化の違いからくるものだろう。
さて、今回はそんなテーブルの上に、これ見よがしに置きぱなしにしたくなるかばんゼロハリバートンのお話。

アルミ製のアタッシュケースと言えば、ゼロハリバートンというくらいとても有名な存在。
もともとエンジニアだったアール P ハリバートン氏が日頃使っていたかばんに対して不満をもったことからゼロハリは誕生した。
仕事で世界中を駆け回っていたハリバートン氏は旅先でかばんの中にホコリが入って、大切な書類が汚れてしまったり、ちょっとの衝撃でかばんが壊れたりということが多く、どうにかならないものかと思っていた。
それならと自分で頑丈なかばんを作ってしまえとばかりにはじめたのがそもそものきっかけ。
ハリバートン氏がこだわったのは、ホコリなどが外から入ってこないこと頑丈であること、それでいてエレガントであること
この3つの条件を満たすために、「エアクラフト アルミ2024合金」と呼ばれる今にも飛び出しそうなアルミ合金を使っている。
製造工程においては、なんと250もの工程があり、1つ1つ丹念に作られている。
ゼロハリバートンはいろんな伝説を残している。
特に有名なのが
アポロ11号の「月面採取標本格納器」に採用されたことだ。
なんと月に行ったかばんなのである。
さらには、ジョン・F・ケネディも愛用していたというからこれまたすごい。
こういう伝説にめっぽう弱い私は、7年程前にPC収納用として売り出されていたZシリーズを購入した。
パソコン用ではあるが、書類を入れたって全然かまわない。
外観は男心をくすぐるシルバー。
ゼロハリのかっこよさはこの点にあるといっても過言ではない。
表面には強度を保つためであろう、2本のプレスされたラインがある。
デザイン的にもゼロハリらしさがある。
パソコン用なので、中身にはパソコンを守ってくれる健康サンダルの底のようなドット状のクッション素材が敷き詰められていている。
パソコンは持ち歩かないがデジカメなどを入れるにも安心だ。

ゼロハリは、服装を選ばない。
スーツ姿でもカジュアルな格好でも、とてもさまになってしまう。
黒の皮製アタッシュケースではそうはいかない。
以前に電車の中で、年配の男性が相当年季のはいったゼロハリを携えていたのを見かけた。
そのゼロハリは、あちこちにキズやへこみがあり、おそらくいろんな国にいったのであろう航空会社のラゲッジシールが無造作にいくつも貼ってあった。
それは作為的に作られたものではなく、ただただ使い続けてきた結果としてできたものだ。なんともかっこよく、思わず見入ってしまった。
これがゼロハリの使い方なんだと自分の価値観が、がらり変わる思いがした。
それに比べれば、私のは7年とは言え、まだまだである。
いつしか、私もゼロハリも同じように年季が入り、堂々とテーブルに置いたまま商談に臨んでみたいものだ。
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■ゼロハリのいろんな商品はこちらで探せます。
(私も持っているZシリーズはどうやら廃盤のようですが、スリムラインとして似ているモデルが今も販売されているようです。)
(2004年11月17日作成)