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■「ようやくわかったこのシンプルな良さ」
 トンボ デザインコレクション ZOOM 980
 3,150円
                                            




私は、これまでたくさんのトンボ デザインコレクションのペンを手に入れて使ってきた。

細身のボディのZOOM707から始まり、機械の工具を思わせるXPA、葉巻の様なハバナなどなど、

このデザインコレクションの中で、存在自体はずっと知っていたのだが、何故か、触手が伸びなかったのが、このZOOM 980。

斬新なデザインの多いデザインコレクションの中にあっては、どうしてもちょっと地味で目立たない存在だった。

それが、つい先日、デザインコレクションのサイトを何とはなしに眺めていたらこれまで感じなかった新鮮な驚きがあった。ひと際シンプルなデザインが突如として格好よく見え始めたのだった。

これまで、何度も見てきたはずなのに、 これは一体どうしたことだろう。。。

思い立ったが吉日、その2日後にはZOOM 980を手に入れた。


ペンのボディと言うと、両サイドが少しばかり細くなっているフォルムが一般的には多いように思う。

このZOOM 980は、ペンの端から端までスラッとしたストレートラインになっている。ただ、1点だけストレートでないところがある。

文具店のショーケース越しに眺めている時には、全然気づかなかったのだが、グリップがほんのわずかだけ、緩やかにへこんでいる。





握ってみると、このへこみなかなか気持ちよい。

ボディには、アルミが使われていて、表面にはデザインコレクションでお馴染みのザラザラとした塗装仕上げになっている。

他のデザインコレクションと同じようにブラック色したグリップはラバーかと思いきや、これはボディと同じアルミ製になっていた。

ラバーではないものの、先ほどの緩やかなへこみも手伝って指先でしっかりとホールドすることが出来る。


ストレートボディと言うと、デザイン面においてなかなか特徴が出しにくいところだが、ZOOM 980では両エンドにうまいこと変化をつけている。

キャップエンドは、斜めにカットされていて、まるで、靴の裏面にあるソールのようなデコボコしたプレートを付けている。

もう一方の尻軸は、ガクンと一段細くさせている。

もし、両エンドがスパッとまっすぐに切られたような仕上げだったら、もっと、味気ないデザインになっていたことだろう。


キャップ式のペンでは、筆記する時にキャップを尻軸にさすかどうかは、賛否両論あるところだと思う。

ケースバイケースだが、私はどちらかと言えば、キャップをささない派である。

それは、キャップをさすと、書くときの重量バランス、そしてデザイン上のバランスという両面で、それぞれのバランスが崩れてしまうことが多いという理由からだ。

だが、このZOOM 980に限って言えば、 断然、キャップをさした方がいい。





筆記時の重量バランスについては、短いキャップが功を奏して、キャップ側が重くなることはなくとても快適にペンを走らせることができる。

もう一つのデザインのバランスという点からみるとボディから少しの段差もなくキャップへとつながっているので、ZOOM 980のデザインコンセプトであるストレートラインが筆記体勢に入ってもしっかりと保たれるのである。

それと、私は結構これはこだわっていることなのだが、このボディとキャップのつなぎ目がフラットになっていることは書くときにとても重要だと考えている。

この段差がかなり大きいペンだと書いているときに、親指と人差し指の付け根に、その段差がこすれてしまって、落ち着いて筆記に集中できなくなってしまうからだ。


このZOOM 980は水性ボールペンになっている。

日本では、油性ボールペンやゲルインクの影に隠れがちな存在だが、筆圧をそれほどかけずともインクがよどみなく出てサラサラと書けるので、ちょっと長めの文章を書くときなどには最適なペンだと思う。

私は、原稿を書くときには万年筆か水性ボールペンを使うことが多い。


遅ればせながらこのZOOM 980をようやく手に入れた。

でも、冒頭で申し上げたように、色々なデザインコレクションを味わった後だったからこそ、このZOOM 980の持ち味であるシンプルさやバランスの良さといったものがしみじみと感じられたのかもしれない。

3,150円とデザインコレクションの中でも、比較的手ごろな価格ではあるが意外に、これは上級モデルと言えるかもしれない。





(2006年1月24日作成)

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