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私の持っているものはスケルトンなので、普段はあまり伺い知ることのできない中の様子も垣間見ることができる。

なるほど、こうなっていたのかと思ったのはキャップの内側の作り。





1万円の万年筆と言えどもキャップの中にももうひとつのキャップ、「インナーキャップ」がついている。

ペン先をキャップにクルクルとネジって収納していくと、このインナーキャップに、ペン先の根元からピタリとセットできる。

これにより収納時にペン先が乾燥するのを防いでくれている。

いつも初めからみずみずしい書き味を楽しむことができる。

細かなところでは、
インナーキャップの少し手前には、等間隔に筋のようなものが見える。





これは、尻軸にさしこむ時にキャップがしっかりと固定できるためだ。

パイロットのカスタムにはどのシリーズにも、尻軸のほとんど同じ位置にクルリと金属のリングがついている。

そのリングのところに指をはわせると、このリングの部分だけがボディの面より少しばかり盛り上がっているのがわかる。

先程のキャップの筋は、このリングで固定されている。





つまり、このリングと筋によって、キャップの固定を担っているわけだ。

そんなことはどうでもいいから書き味に進んでくれよ、という声があちらこちらから聞こえてきそうだが、もうちょっと語らせて欲しい。。

もうちょっとで終わりますから。。

つまりですよ。
単に 尻軸にカプリとキャップをかぶせるのではなく、リングでもって支えているということは、書くたびにキャップを抜き差ししたとしても尻軸り周辺にあまり傷がつかないということになるのではないだろうか。

長く使っている742の方を確認してみると、多少の擦り傷みたいなものはあるが、確かに、傷は少ないように感じる。


さぁ、お待たせしました。

では書き味にいってみましょう。

キャップを尻軸にセットし、ボディのややペン先側を優しくつまみ書いてみる。

もう私は、2年もこのカスタム74を使っているが、その書き味を一言で言ってしまうならば、

「ふつうに気持ちいい」ということ。

いつ書いても、かすれもなくササッと必要なことを書きとめられる。

ペン先はやや固めな印象。





この硬さは、
カスタム74は発売された1992年当時の日本人の書き味にあわせて作られたという。

当時はボールペンやシャープペンが普及していた時代。

多くの人たちの筆圧は強くなっていたという。

と同時に、日本人の筆記がすっかりと横書き中心となっていった時代でもあった。

そうした時代背景もふまえて、やや硬めでそれでいて弾力性のあるペン先を新開発したという。

なるほど確かに、硬いタッチながらも、少し筆圧をかけると、ペン先側だけがややしなる。

ふとした瞬間につい手にすることがこのカスタム74であることが多い。

きっとそれはボールペンやシャープペンで書いていてもそのモードのまま書けるからなのだろう。

万年筆であるということを必要以上にすることなく、自然に書くことができる。

あまりにも「自然」なので、
このよさは1年から2年としばらく使わないとなかなかわからないものかもしれない。


 (2010年4月20日作成)

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