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■「勝負万年筆」
 モンブラン 
 マイスターシュテュック 146





「男の三種の神器」というものがある。腕時計、万年筆、ライターの3種で、昔は腕時計はオメガ、万年筆はパーカー、ライターはロンソンだったが、

今はロレックス、モンブラン、ダンヒルらしい。

私はタバコはやらないので、ライターには縁がないが、腕時計と万年筆は大好きだ。

腕時計はオメガ派で、万年筆はここぞという時にはモンブランを取り出す。

ここぞというのは、ワープロでタイプアップしたレターの締めくくりに直筆の署名をする。といった場面や、ちょっとあらたまった時の手紙。重要な会議や商談の時などである。


今回ご紹介するのは、そんなここぞという時に私が使っているモンブランの万年筆マイスターシュテュック146。

言わずとしれたモンブラン。
その歴史は古く1906年に文具商・銀行家・エンジニアの3人により誕生した。

それまで別だった「インク容器」を一体化したニューデザインのペンであることを強調するため、当時社名は「シンプロ フィラーペン カンパニー」だった。

その後、1924年にモンブランの代表作となるマイスターシュテュックが発表され不動の地位を築いた。発売以来80年が経っていることになる。まさにロングセラーだ。

モンブランと言えば、トレードマークの「ホワイトスター」がある。これは山の頂上に雪が積もったイメージのデザインである。





ペン先にある「4810」の数字はヨーロッパ最高峰のモンブランの標高を表わしている。
 
ちなみに、日本のプラチナ萬年筆のペン先には「3776」とある。

以前、同社の方にお聞きしたところ、日本一の万年筆という想いをこめて、富士山の標高を入れているという。(あっぱれだ)





話はモンブランに戻って、私はこのマイスターシュテュックを10年程前に購入した。当時20歳代だったが、一生ものとして、永く使えるものをと思いそれなら、早くから良いものを購入して自分で使い倒して、ミドルエイジになった時に、自分も万年筆もいい味が出ていればいいなあと思ったからだ。

ペンの太さはMを選んだ。146は程よい太さの軸が特徴だが、その太さにはやはりペン先もある程度太くないとなんとなくバランスが悪いような気がした。

146の上には149というさらに太軸があるが、シャツのポケットに入れたりする携帯性を考えると私の場合146がちょうどよかった。
 
私の146は、はじめから書きやすかったわけではなく、購入したての頃は、なんて書きづらいんだと思ったことも実はある。

その後も要所要所で使い続けて、しばらくすると、万年筆が私の書き癖を把握してくれたようで滑るようにヌメヌメと書けるようになってきた。車で言うところ慣らし運転が終わったというところだろう。

何でもそうだが、おろしたての道具を使い続けて、自分の体の一部にするという行為は道具好きの私にとって至福の作業となる。





この146には、もう1つの愉しみがある。それはインクを入れる作業である。

この146は、ボトルに入ったインクからペン先を通じて直接吸い上げるピストン吸入式が採用されている。

今は、インクで手が汚れない、簡単なカートリッジ交換方式が多くなってきた。

ボトルインクを使ってインクを入れる作業は万年筆に魂をいれるといったら、大げさかもしれないが、私は、この作業が愉しくてたまらない。

万年筆で書くときの1つの儀式のような感じもする。

インクで手が汚れてしまうこともしばしばだが、万年筆に愛着を感じるひと時となっている。

以前、会社でボトルインクを使って146にインクを入れていたところ、同僚から、なにニヤニヤしているの?と言われたことがある。
 
どうやら、ニヤニヤしていたらしい。傍からみたらかなり変だ。


モンブランのボトルインクの形状はちょっと変わっていて、横から見るとハイヒールのような形をしている。





はじめは、ただのデザインかと思っていたが、残りのインクが少なくなってきて、その機能性に気づかされた。
 
少なくなったインクをペン先から吸入しやすいように、そのヒールの部分にインクを貯めて使う。


私の手に馴染んできた146は、世界で唯一無二の私だけの万年筆としてこれから本領発揮をしてくれると思う。

これからも、人生のここぞと言う時に、ますます使い込んでいこう。
 
2004年5月4日作成

□ モンブラン その他の評論

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