
■「所有する喜びが感じられる手帳」
モールスキン ポケット ルールドノート
1,890円
毎朝、仕事に行く電車の中でウェブサイト用など諸々のコラムのラフ原稿を書いている。周りはといえば、本を読んでいる人、携帯電話を見ている人、携帯メールをしている人などいろいろ。
携帯メールをしている人たちを見ているとよくもまあ、あんなに早く親指が動かせるものだと関心してしまう。親指だけ発達しやしないかはたから見ていて心配になってしまう。
私みたいに手帳を出して書いているほうが返って最近は珍しい存在かもしれない。
電車の中での執筆だが、これが結構集中して書けてよい。机に座って書くと変に肩に力が入ってしまうが、その点、電車の中だと適度な音、揺れ、人ごみが返って集中するのにちょうどよい環境になってくれる。
その執筆に使用しているのが、今回紹介するモールスキン ポケットルールドノート。私はこのモールスキンをステイショナリー評論家ネタ帳として愛用している。
モールスキンの本来の意味はもぐらの皮ということらしい。もぐらの皮のような合成皮革ものを今はモールスキンと呼んでいることが多い。
確かに、この手帳の概観の皮(おそらく合皮)の手触りはソフトな感触で、もぐらっぽい。
といっても、もぐらに触った事はないが、イメージ的に・・・・
このモールスキン手帳、歴史は古く、200年にもおよぶ、画家のヴィンセント・ヴァン・ゴッホ、マティス、作家のヘミングウエイも愛用していたというからすごい。
概観の特徴に入る前に、店頭で販売されているパッケージについてふれてみたい。
手帳にシックな色合いの紙の帯がついている。オレンジ、レッド、ブルーなど手帳の種類によって色がちがう。手帳の黒地にこのカラーの帯がなんともマッチしていて、目を引く。店頭で思わず手にとってしまう、こういうデザインはさすがイタリアだ。
残念ながらこの帯は手帳使用時にははずさなくてはならない。その帯をはずしてしまうと、とたんに普通の黒一色の手帳になってしまうが、実は、いろいろなうれしいこだわりが施されている。
まず、手帳の本質となる中身の紙が見た目少しクリーム色っぽくて目にとても優しい。私は鉛筆系(ステッドラーの芯ホルダー)で書いているが鉛筆との相性はばっちりで、とても心地よい滑らかな書き味が楽しめる。
総ページ数が192ページもあり、十分な量があり、使い込むのにも結構な時間がかかる。それにあわせて外観のやれ具合もちょうどよくなってくる。
手帳をポケットやカバンに入れたときに意外に気になるのが中の紙が折れたり、汚れたりしてしまうこと、このモールスキンは外側にゴムのベルトがしつらえてあるので、とめておけば中の紙が痛む心配はない。このベルトをはずしたり、パチッととめたりするのは書きはじめ、と終わりの1つの儀式として楽しい作業になる。
外側のカバーはとてもしっかりしていて、かなりの厚みがある。このおかげで手にした時の重厚感があるとともに、手帳を手に持って筆記する時はしっかり書けて助かる。
かゆい所に手が届く配慮としては、手帳の最終ページにポケットがついている。
ポケットのサイドにマチがついているので出し入れが楽に行える。私は、購入したステイショナリーのレシートを入れていおいて、原稿を書くときに、そういえばあのペンいくらだっけという時にそのポケットからレシートを出して見るといった使い方をしている。レシート以外に名刺も数枚忍ばせている。
紙状のものであれば結構はいってしまう。万が一ポケットが膨れてしまっても前述のゴムのベルトがあるので、それでとめておけば落とすこともなく安心だ。
表紙を開くとこんな文章が書かれている。
「もしこの手帳を拾ったら、下記まで送ってください。お礼として ドル差し上げます」とある。(もちろん英語で)所有者の連絡先と礼金が空欄になって書けるようになっている。
ここにモールスキンの手帳に対する1つの深いこだわりを感じる。
それは、はじめはまっさらだが、この手帳にそれぞれが想い想いの重要な事柄を書き、いつしか自分にとって価値あるものになる。その価値を自らが作り、その価値も自分で決めてください。ということが使い手に委ねられている。
そういうことを含めて、このモールスキンを心して使うように、と訴えかけているようなそんな感じがする。
実際、モールスキンのパッケージの帯にはこんな事がかかれている
「パスポートを無くすのはたいしたことではないが、手帳を無くすことは破滅的なことだ。」
それに象徴されるようにモールスキンは手帳を単なるメモ書きとしてだけでなく、その使い手の重要な事柄を記された、その使い手の分身というくらい重要なものとして位置づけているのだろう。
ちなみに、私は、モールスキンを拾った方への礼金の欄はまだ空欄のままになっている。この手帳を買った1,500円にしようか、はたまた2,000円にしようか迷っている。
今はまだ、この手帳に自分の価値を入れ込んでいる作業中なので、もう少し経ってから決めようと思っている。
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