
■「ロングセラーの水性ボールペン」
ぺんてる ボールぺんてる
B100 105円
ずいぶん前に、仕事でとあるお客様を訪問した時、そのお客様がノートと1本のペンを携えて現れてきた。
私が仕事の話を始めると、その方は持ってきたペンをいかにも使い慣れているという手つきでキャップをはずし、メモを取り始めた。
その字を見て、なんて味のある文字なんだろうとしばらく見入ってしまった。
それは、まるで筆で書いたように習字の「とめ」や「はね」が見事に表現されていた。
この方は字がうまいのか、はたまた、このミドリ色のペンがすごいのかその時すごく気になった。
仕事帰りに早速そのミドリのペンを買って試したところ、手品のようにうまい文字が書けた。ということはなく、いつもの私の見慣れた文字で少々がっかりした記憶がある。
でも、なんともスムーズな書き心地で、それ以降しばらく使い続けて書いていた。
そのミドリ色のペンが今回ご紹介するぺんてる社のボールPentelです。
このぺんてる社のボールPentelは1970年の発売以来(国内発売は1972年)、すでに30年以上のロングセラー商品となっている。
約30年間デザイン的にも当時とほとんど変わらず、今なお世界各国で使われ続けているのだから、すごい。
ぺんてる社の底力を感じざるを得ない。
このボールPentelはジャンルとしてはボールペンに属する。ボールペンといえば、スチール製のチップとインクは油性か、または最近だと中性ゲルインクを思い浮かべてしまうところだが、

ボールPentelはチップは樹脂性で、しかもインクが水性と他とはちょっと違っている。
樹脂性のチップと粘度の低い水性インクのおかげだと思うが、書き味がなんとも滑らか。インクの出具合も抜群。さらさらと書けてしまう。まるで筆ペンのような書き味。
メーカーによれば、ボールPentelはそもそもサインペン感覚・筆文字感覚で書けるボールペンの開発が当時のコンセプトだったらしい。
また、キャップをしばらくはずしたままの状態でも書きはじめから、かすれがなく筆記できる。
こうした徹底した品質管理はぺんてる社の得意とするところで国内の文具メーカーとしては最も早い1976年にデミング賞を受賞している。
(ちなみに、デミング賞とは日本科学技術連盟が効果的な品質マネジメント行なっている企業を表彰する栄誉ある賞)
肝心の味のある文字への挑戦はその後も続け、私なりの1つのコツのようなものを見つけるに至った。
そのコツとは、丁寧に楷書体で書くのではなく、ちょっとくずした行書・草書のように一筆書きのように書くというもの。
そうすると、私なりの味が出るようになった。気がする・・・
うまく書こうとするよりも自然に使った方がよいということなんです。
実際、海外でこのボールPentelが広く愛用されているのも欧米の一筆書きの横文字サインに最適だかららしい。
ボールPentelは著名人の愛用者も多く、作家の秋元康氏を はじめ、海外では、エリザベス女王陛下がダービー観戦に使っていたという逸話もあるくらいだ。
色々と進化を続けるペンも魅力的だが、こういうロングセラー商品もとてもいいものだ。
(2004年4月20日作成)
TOP
ペン コラム集
Copyright (C) 2003
Tadashi Tsuchihashi,
All rights reserved.