文具で楽しいひととき
■ 「愛用のセンチュリーボールペンをシャープペンに」 クロス スイッチ・イット 1,050 円 


 


□文房具には、
 カスタマイズするという楽しみがある。

 メーカー公認であれ非公認であれ、
 自分好みに仕上げていくのは心躍るものがある。

 そもそも道具なので、
 自分ならではの用途にカチッと
 はまった時の気持ち良さといったらない。

 道具に自分を合わせるのではなく、
 自分に道具を合わせるという発想である。

 そして、
 そのカスタマイズが
 もともと自分が前々から持っていたもので出来た時は
 ちょっとした感動すらある。

 新しいもの同士の組み合わせのカスタマイズと違って、
 前からあった文房具を有効活用できると
 地球的にも何だかいいことをしたような気分になる。

 この「昔から持っていた文具」で「カスタマイズする」という
 2点を最近味わうことが出来た。

 それが
 クロスの「スイッチ・イット」。


□そもそもクロスには、
 「セレクチップ」というものがある。

 これは、クロスが用意するいくつかのリフィルを
 色々なペンに入れ替えられるというものだ。

 今回の「スイッチイット」も言ってみれば、
 それに似ているようなものだけど、
 一つだけ大きく違うところがある。

 「セレクチップ」は対応のペンは、
 どちらかというと
 新しく出てきたペンばかりであるのに対し、
 「スイッチ・イット」では、
 クロスのロングセラーモデルである
 クラシック センチュリーに対応している。

 「スイッチ・イット」は、
 シャープペン リフィルとなっており、
 クラシック センチュリーのボールペンタイプのボディにセットすると
 シャープペンにすることができる。


 


 これは、ぜひ一度試してみなければと思い、
 すぐさま大きな文具店に買いに走った。

 店員さんに尋ねてみると、
 奥の方から出してきてくれた。


 


□この「スイッチ・イット」、
 クロスのボールペンリフィルとほぼ同じ
 スリムスタイルをしている。


 


 先端にバネがあり、
 そこをノックするみたいに縮ませると芯が出てくる。


 


 そして、
 ペン先の反対側にはちゃんと消しゴムもついている。

 この消しゴムはキャップになっていて、
 それを取ると替え芯が入れられるようになっている。


 


 その消しゴムのすぐ下を見てみると、
 ここにもバネが仕込まれている部分がある。


 


 いじってみたら外側のパーツだけ
 後にスライドできるようになっていた。


□さて、
 センチュリーへの取り付け方法は、
 ボールペンの時と全く同じ。

 ペンを分解して
 首軸の中にスルスルと入れて
 最後にクルクルとねじるだけ。


 

 


 後軸をかぶせてセット完了。


 


 では、次にどうやって芯を出していくのか。

 ご存知の様にセンチュリーは、
 ノック式ではなくツイスト式。

 センチュリーならではの
 やや重みのあるツイストを回してみる。


 


 するとまず、
 シャープペンのスリーブ(ガイドパイプ)が繰り出してくる。


 

 


 さらに回していくと、芯が1mm弱出てくる。


 


 これでは芯が短すぎるので、
 もう少しだけ芯を出したい。

 そこで、まわし切ったツイストを
 少しばかり戻して、
 またツイストしてみると芯がさらに繰り出される。

 これを繰り返すことで、
 芯がどんとん出てくる。


 


 ちなみにシャープペンによくある「カチカチ」という音、
 ならびにクリック感はない。

 繰り出した芯先を紙の上に添えて書いてみると、
 芯はしっかり固定されて引っ込んでしまうことはない。

 ただこの時、気を付けるべきは、
 ツイストを完全に回し切った状態に保っておくということ。

 こうしておかないと
 書く時に芯が引っ込んでしまう。

 もともとクラシック センチュリーには、
 シャープペンタイプもある。

 やはり、ツイスト式で
 今回の「スイッチ・イット」と同じようだが
 「スイッチ・イット」の方は、片手でツイストするのはちょっと難しい。

 両手でしっかりとボディの両端をつまんで、
 ツイストをしてあげる必要がある。

 書き味としては、
 ペン先のガタツキはなく、まずまずの書き心地。

 ただちょっと気になったのは
 ペン先の繰り出し具合。

 これは、
 もともとボールペン用だから仕方ないのかもしれないが、
 バランス的にスリーブの出方が少し足りないような気がした。


 


□次に、
 書き終えて、芯を戻す方法。

 これはちょっと独特。

 まず、ツイストを逆回しする。

 こうすると、
 スルスルとスリーブが中にしまい込まれていく。

 ただ、これだけだと
 芯は出たままなのでスリーブは、
 しまい込まれても芯だけがチョコンと飛び出してしまう。


 


 芯をしまうには、
 先程の注意点とも関係するが、
 ツイストを少しだけ戻して、
 芯を指もしくは紙で押し込んであげればいい。


   


 こうすれば芯はスルスルと中に入っていく。

 そうした後に、
 ツイストを逆回ししてスリーブをしまい込んでいく。


 


 ちょっと手間はかかるが
 慣れればそれほど問題はないと思う。


□この「スイッチ・イット」で、
 私が気に入ってしまったのは
 0.7mm芯タイプであること。


 


 センチュリーのシャープペンタイプは
 0.5mm のみになってしまっていたので、
 これは嬉しい。

 このクラシック センチュリーを買った頃は、
 会社の仕事でボールペンをよく使っていた。

 しかし、今は、もっぱらシャープペンの方を
 よく手にしている。

 そのため、
 センチュリーボールペンは、
 すっかりお蔵入りしつつあった。

 シルバーボディもすっかりと黒ずんでしまっていた。


 


 そのボディを久しぶりに、
 現役復活させることが出来た。


 




■記事作成後記

 パッケージの説明によりますと、
 この「スイッチ・イット」は
 全てのクラシック センチュリーには使えないそうです。


 


 対応しているかどうかは、
 ペンを分解して、首軸側の接合部に
 「3009C」や「1500」などのコードが表示されているボールペンが
 スイッチ・イットをセットできるそうです。

 ちなみに、
 私のものにはコードはありませんでしたが、
 偶然なのか、ご紹介したように
 どうにか使うことができました。

 ただ、コードのあるものでお使いになった方が
 よいかと思います。


(2011年6月28日作成)


  ■ クロス スイッチ・イットはこちらで販売されています。





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